ある男最後の意味を考察、谷口、城戸の正体は?!13歳の正体は?

邦画

今回は安藤サクラ、窪田正孝、妻夫木聡による映画、「ある男」についてご紹介

皆様が気になっているであろうあらすじや、タイトルの「ある男」とは何者なのか?
なぜ戸籍を変えなくてはならなかったのか?
死んだ谷口とは何者だったのか?

できるだけわかりやすくご紹介できたらなと思います!!

・ある男ネタバレあらすじ

宮崎県で文房具店を営む里枝(安藤サクラ)は、離婚で心に傷を負っていましたが、店を訪れた寡黙な男「谷口大祐」(窪田正孝)と出会い、惹かれ合って再婚します。
元夫との長男と新たに授かった長女にも恵まれ、4人でささやかで幸せな家庭を築いていました。

しかし結婚から三年たったある日、夫の「大祐」が林業の作業中の事故で突然亡くなってしまいます。

悲しみに暮れる中、長年疎遠になっていた本当の大祐の兄・恭一が法要に訪れますが、遺影を見るなり「これ、大祐じゃないです」と言い放ちます。

愛したはずの夫は、名前も過去も偽ったまったくの別人だったのです。

里枝から身元調査を依頼された弁護士の城戸(妻夫木聡)は、亡くなった夫を「X」と名付け、城戸の同僚弁護士の中北(小籔千豊)と、その正体を追い始めます。

戸籍ブローカーの小見浦(柄本明)などを通じて調査を進めるうちに、城戸は「X」が他人の戸籍を転々とする「戸籍交換(=生き直し)」を行っていたという、あまりにも切なく壮絶な真実にたどり着きます。

 

・ある男、谷口、城戸の正体は?

ある男(X)・窪田正孝

本名は原 誠(はら まこと)
実の父親が凄惨な強盗殺人事件を起こした死刑囚。
どこへ行っても「殺人犯の息子」というレッテルを貼られ、プロボクサーとして活躍し始めても「父親の狂気の血が流れている」と陰口を叩かれ人生に絶望していた。

自分の人生を捨てるため、戸籍交換を行った。

本物の谷口大祐・仲野太賀

伊香保にある老舗旅館の次男。
実家の過酷なプレッシャーや家族との人間関係、自身の境遇から逃げ出したいと願い、戸籍を捨てて失踪。

城戸 章良・妻夫木聡

里枝の調査を行う弁護士。
一見、裕福な家庭を持ち、美人の妻と子供がいる人生の成功者ですが、実は「在日コリアン3世」(現在は日本国籍に帰化)。
義理の父親から無意識の偏見を向けられたり、社会の差別に晒され、自身のアイデンティティに深い葛藤を抱えています。
里枝と城戸は初めて会ったわけではなく、一度目の旦那と離婚する際、離婚調停を担当していたため、彼なら信頼できる。との思いで、今回も城戸に依頼した。

最後、城戸のセリフの意味は?13歳の子供は誰? 13歳の子供の正体は本物の谷口大祐。

 

映画のラスト、城戸は、男から「失礼ですが、お名前は?」と聞かれ、ふっと微笑み、名前を名乗ろうとした瞬間に画面がパッと暗転して映画は幕を閉じます。

ラストを考察すると、城戸が最後に何と名乗ったかによって、意味が大きく変わる仕掛けになっています。

考察A:「谷口大祐」と名乗った(あるいは偽名を名乗った)可能性
城戸もまた、原誠と同じように「城戸章良」という自分の人生を捨て、別の「ある男」として生きる境界線を一歩踏み越えてしまった、というダークな結末です。

考察B:一瞬躊躇して「城戸です」と名乗った可能性
別の人間になりたいという誘惑に駆られ、一瞬「偽りの自分」を楽しんだものの、最後の最後で現実(城戸としての人生)に踏みとどまった、という解釈です。

 

・最後、城戸はなぜ旅館の息子と言ったのか?を考察

 

城戸は自分の過去(在日3世としての苦悩や、妻が浮気しており家庭が冷え切っているという絶望)に疲れ果てていました。

彼は「原誠(X)」の人生を追ううちに、「自分ではない、誰か別の人間になって生きたい」という強い欲求(変身願望)を自分自身の中に植え付けてしまったのです。

そのため、バーで出会った一期一会の他人に、自分が調査した「本物の谷口大祐」の生い立ちを、さも自分の過去であるかのように嘘をついて語ったのではないでしょうか

 

 

・ある男、なぜ谷口は戸籍を変えたのか

彼が戸籍を変えた理由は、「逃れられない血の呪縛と、世間の目から完全に消え去りたかったから」です。

どれだけ真面目に生きようとしても、父親が殺人犯であるという過去が彼を追い詰めます。鏡で自分の顔を見るたびに「父親に似てきているのではないか」という恐怖に怯え、周囲からは冷ややかな目で見られる。

「せっかくこの世界に生まれてきたのに、こんな人生は嫌だ」

そう絶望した彼は、戸籍ブローカーを介して、まず「曾根崎」というホームレスの男と戸籍を交換し、その後、実家から逃げたがっていた「本物の谷口大祐」と出会い、2回目の戸籍交換を行いました。

彼は犯罪を犯すためではなく、ただ
「普通の人として堂々と胸を張って愛し、愛される人生」を手に入れるためだけに、名前を捨てたのです。
里枝と過ごした最期の3年9ヶ月は、彼にとってようやく手に入れた「本当の自分の人生」でした。

・ある男の感想

 

この映画は、単なる「夫の正体を暴くミステリー」にとどまらず、「人間のアイデンティティ(身元)とは何か」を深く問いかけてくる傑作です。

観終わった後、なんとも言えない切なさと、少しの不気味さが残ります。原誠(窪田正孝)の生い立ちはあまりにも過酷ですが、里枝(安藤サクラ)と過ごした数年間は、偽名であっても「本物の愛」に満ちていたことに救いを感じます。

しかしそれ以上に印象的なのは、調査をしていたはずの城戸(妻夫木聡)が、現代社会の差別や家庭の崩壊によって、徐々に精神的に追い詰められ、「ある男」の闇に吞み込まれていくグラデーションの見事さです。

柄本明演じる不気味な戸籍ブローカーの怪演も含め、役者陣の演技がリアルすぎて息が詰まるほどの緊張感があり、邦画史に残る非常に重厚で見応えのあるヒューマンドラマです。

この映画にあるように、名前を変えることで、もう一度違う人生を生きてみたい。という気持ちは、きっと誰しも考えたことはあるでしょう。

けど、実際に変えるとなると、世間体だったり、戸籍を変えることで犯罪に加担してしまったりと、簡単にできることではないです。

追い詰められたからこそ、戸籍を変えるということに行きついたのですね。

一人一人の演技力が素晴らしくて、演じていた人全員が主役のようでした。

妻夫木さんは、いままでに本当にたくさんの映画やドラマに出演していましたが、その意味も分かります。

そしてなんといっても影の主役ともいえる柄本明さん。

演技と思えない演技で、なんにでもなれる柄本明さん、右に出る者はいないですね。

軽い気持ちで見てみた映画でしたが、なんとも奥が深いストーリーでした。

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